元村有希子・田中泰義's profile理系白書ブログBlogLists Tools Help

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    September 01

    ブログ引っ越し

    ヤスです。
    夏休み中で、海外に行きました。ハワイ島です。話は本日から新しいサイト
    で。
    よろしくお願いします。
     
     
    August 31

    ブログ移転&留学

    元村です。きょうは大事なお知らせが2件。
     
    その1 ブログを移転します。
     
    かねてから「使いにくい」と指摘のあった当ブログ、管理人まで締め出される事態(これは多分私の未熟による)となり、引っ越すことになりました。
    新住所はこちら↓
     
    移転は9月1日(土)、つまり明日です。
    管理人はこれまでと同じく、ヤスと元村であります。
    新装開店する「理系白書居酒屋」、引き続きよろしくお願いします。
     
    その2 元村が留学します。
     
    思うところあり、元村は9月から英国へ留学することになりました。期間は1年間です。
    英国及び欧州のサイエンスコミュニケーションの現場を見て参加して歩きつつ、08年に一つの佳境を迎える温暖化外交の現場を日本の外からウオッチしたいと思っています。
    ブログの書き込みは、少なからず留学日記の色彩を帯びますが、欧州の科学事情などを織り込み、みなさんにUP TO DATEなトピックを提供できればと思っています。
     
    連載としての「理系白書」は、残る最強メンバーで続きますので、乞うご期待。
    理系白書への注文、依頼、タレコミETCも取材班で引き受けますからよろしくお願いします。
     
    さて、本日は出社の最終日。机周りの荷物を家に発送して気持ちは片付いた。
    しかし引き継ぎ、留学の準備、引越しの準備など、残した仕事が山積み。
    本当に行けるのか不安になってきたぞ・・・
    それに、この期に及んでまだ取材が入っているのだ。
    私がいなくなった後、新聞紙面で会いましょう。
    August 24

    歯医者

    元村です。
     
    新しいパソコンを立ち上げて、そこからだったら書き込めるかと思ったが、やはり無理。
    それもあって書き込み滞り申し訳ありません。
    相棒のヤスはきょうから夏休み。いずれ報告があるでしょう。
     
    さて。
    8月にはいって、10数年ぶりに歯医者へ行った。下の臼歯の詰め物が取れたのだ。
    ついでに虫歯の検査をしてもらった。
    「虫歯はないですねえ」というので気をよくしていたら、「でも・・歯石たまってますよ」と言われた。
    がーん!
    一説には成人の8割が歯周病だというけれど、私もかい!
    「歯石を定期的に取らないと、歯周病が悪化して、しまいには骨が溶けますよ」と脅かされる。
    「じゃ歯石、とってください!ばんばん!」と即座に返事をした。
     
    経験者は分かるとおもうが、歯石を取るのって、虫歯の治療並みに痛いのである。
    でも癖になる(笑)
    センセイも「おっと、こんなのが取れましたよ♪」とうれしそうに見せてくれたりして、なんだか楽しい共同作業なのである。
    プラーク(歯垢)をためない歯磨き方法も教わった。
    またあのような痛い思いをしたくないから、まじめにやっている。
    みなさんもお気をつけあそばせ。
     
    おっと、出かけなくては。また。
     
     
    August 17

    環境と人口

    ヤスです。
     
    日本全体が猛烈な暑さに見舞われている。ぐっすり寝付けず、体力的にきつい。昨日のデータを見ると、日最高気温の高い上位地点が岐阜県(私の生まれた場所)と埼玉県に集中している。地理条件も大きな要素ですね。

    さて、この時期、都心ではさすがに人が少なかった。満員電車も避けられた。人口が減って、交通量も減って、ゆったり。これが、少子化が進んだ、将来の日本の姿でしょうか。

    昨日、東京に帰省したという某車メーカーの環境部門担当者から「会いましょう」と久しぶりの電話。冷えたビールを楽しみながら、「水素や燃料電池を使う車は開発されているが、今後普及していった場合、水素などをつくるエネルギーをどう供給するのかが悩み。火力では二酸化炭素を出す。社会はいつまでも原子力は受け入れられるだろうか」と不安げに話していた。
    温暖化だけでなく、多くの環境問題を平行して解決することは可能なのだろうか。京都議定書採択から10年。温暖化や森林伐採などなかなか改善しない世界の状況をみると、解決は相当難しそうだ。悲観的に思える。効率を高める、新技術で本当に目標を達成できるのだろうか。やはり、エネルギーの総消費量を減らすことが重要ではないだろうか。そうなると、必要なのは人口抑制か。さらに、年金対策はどうなるのだろう。
    人口問題は国内問題にとどまらず、かつ幅広いテーマだが、最近は首脳間であまり話題になっていないように思う。私たちも含め、議論を深めていかなければ。 

    炎暑、猛暑、酷暑、夏休み

    元村です。
     
    大変ご無沙汰しておりました。
    「元村さんどうしたの?」
    「忙しいんでしょうねえブログの書き込みがないところをみると」
    「ひょっとして熱中症か?」
    などと言われてあわててパソコンに向かっております。
    自分のパソコンから操作できないという問題はいまだ解決せず、どうなっとるんじゃわれぃ、という状態。
     
    さてさて、この暑さはちょっと我慢できない感じ。
    屋外で作業をしたり、学校のクラブ活動をしたりする人はほんとうに気をつけていただきたい。
    部屋の中でも熱中症で亡くなる方がおられるぐらいなのだ。
    私は冷房に弱いので、エアコンを切って寝るが、汗だくになって目が覚める。水ばかり飲むと電解質のバランスが崩れるのではないかと思い、夜明けに自動販売機でイオン飲料を買った。
    なんと・・・ぬるかった。自動販売機の冷却機能も衰えているのだろうか。
     
    ところで夏休みは実家と、そして水俣へ行ってきた。
    水俣に知人が転勤したので、彼女を訪ねて行ったのだ。
    たった1泊だったが、新しい発見があった。
    水俣では「村まるごと生活博物館」という事業をしている。
    テーマパークではない。山あいの、人々が暮らす集落そのものを博物館に見立てて、訪れる人を、住む人が案内してくれたり、手作りの昼食をいただいたりする。
    農村振興、地域おこし、観光客誘致、経済振興、高齢者の生きがい作り、水俣のイメージアップ・・・、いろんな色合いを持っている。
    とにかく、私はその訪問を心から楽しんだ。
    案内してくれた市役所の冨吉さんという青年がこれまた郷土愛にあふれた人で、うれしかった。
     
    みなさんの夏休みはいかが?
     
     
     
     
     
     
     
    August 09

    鉄道の混雑表示は?

    ヤスです。
     
    お盆は近いが、まだ世の中で夏休みを取っている人は少ないのだろうか。一部の科学環境部員は新潟県中越沖地震の取材で、夏休みの予定を変更している。私は本日は早出とあって、朝の超満員電車に揺られて出社した。東京の最高気温が30度以上と予想される本日。蒸した車内にうんざりである。
     
    約束の時間に余裕があるとき、私は乗車せずにホームで本を読みながら2~3本の電車が通り過ぎるのを眺めていることがある。混雑具合は、たった1本違うだけで結構な差がある。1本待つだけで快適な移動ができる。本や新聞を広げることすら難しい空間を体験する必要もない。
    だったら、すいている時刻の電車を狙えばいいのだが、日が違うと混雑状況が変わっているから悩ましい。
    「次の電車の混雑率は何%です」という案内表示はできないものだろうか。その情報を参考に、自分がいるホームに並んでいる人の数を総合して、乗るか乗らないかを判断するのに。首都高は混雑路線を表示している。どこかの鉄道会社が開発してくれないだろうか。もっとも、電車を遅らせる余裕なしに乗り込んでいる人が大半ならば、あきらめるしかない。
     
    August 07

    原爆忌

     元村です。
     
    なんと、この数日間、私のマシンからブログの編集ができなくなっている。なんてこと。管理人なのにぃ。
    9月の3周年を機に引越しを検討しております。ご不便かけているみなさん、もうしばらくご辛抱ください。
     
    さて。
    日付が変わってしまったけれど、6日は広島に原爆が落ちた日だ。
    今年の原爆忌は、なぜかとても気になった。理由は分からない。人間には何かそういう「タイミング」というものがあるのか。
    朝も8時に始まった式典を、全部見た。
    特に、秋葉市長の式辞は胸を打たれた。列席した安倍首相はどんな気持ちで聞いただろうか。
     
    気になる理由をあえて挙げれば、長崎市長の銃殺とか、防衛相の「しょうがない」発言とか、憲法改正の動きとか、原爆症認定基準をめぐる判決(への国の控訴)とか、いろいろある。
    まだ終わってないことに、強引に幕を引こうとしているように見えてしまう。
    昨夜から始まったNHKの「核クライシス」もちょっとショックだった。
    広島で、原爆が地上で爆発した場合の被害を、研究者たちが調べているという内容だった。
    あってほしくない、あってはいけないことだけれど、あえて調べるのには意味があるという。
    それは、核テロの危険がゼロではないってことが一つ。
    もう一つは「原爆や戦争を知らない世代に、原爆の本当の恐ろしさを実感してもらうため」だという。
     
    その被害想定に基づいたCGというのが、迫力が十分すぎて、私はうなされそうだった。
    リメーク版「日本沈没」でさえ、ウソと分かっていても大泣きしたのである。
    泣いていてもどうなるものでもない。何ができるか、何をすべきかをきちんと考える日にしたい。
     
    ちょっと救われる話題としては、あのクィーンのギタリスト、ブライアン・メイさんが、36年がかりで博士論文を完成させたという。
    分野は天文学。
    「黄道のちり雲における視線速度」って、テーマとしてどうですか?天文屋さん教えてください。
    学問は一生続くのだね。
     
    August 04

    肉体労働

    ヤスです。
     
    新潟県中越沖地震の現場から戻って1週間が過ぎた。最近、地震に関する報道の件数も減少してきた。
    でも、私は現地に行っていたこともあって、雑談していると相手の仕事や立場に関係なく、つい地震や原発の話題を取り上げてしまう。
    今週木曜日、飲み屋でたまたま隣に座っていた一人に、若いころ配管工をしていたという50代男性がいた。「おれは原発のことは知らないが、弱点は配管だよ」と強調していた。「重要部分は事業者がきちんと目配りするが、あんな巨大な施設だから数え切れないほど配管がある。この地震でどこかにガタが来ているだろうし、重要部分以外は下請け任せで、ちゃんとやっているか」と言う。
    この言い分が正しいどうか。
    それにしても、こうした現場で働く人の意欲を高めることが大切だ。
    その思いの原点は、父親の仕事にある。また父親の話で恐縮だが、中小企業で長くトラック運転手をしていた。その会社は大手の運送会社から孫請けで仕事をもらうが、大体にして無理難題の要求が多い。徹夜続きの運転。それでいて給料がかなり安い(私の大学時代の授業料が半免されるくらい)。しかし、父親は妙に責任感があるし、わずかでも収入がほしいから無理して働く。居眠り運転が心配で、家族は無事に帰宅するのを祈るばかりであった。長距離観光バスが事故を起こしたと時々報道されるが、運転手の労働環境は今も昔も変わっていないのだろう。
    米ミネソタ州で起きた橋の崩落事故のニュースを聞いたとき、保守管理をしている作業員に、きちんとした報酬が出ていたのかと思った。想像で申し訳ないが、「安い賃金で、まじめにやってられるか」と文句を言っていなかったのだろうか。
     
    先日、株で「信じられないほどカネをもうけた」という人に有罪判決が出ていたが、この発言を聞いて、「そうか、こうすればもうかる」と思った人もいるだろうが、私は腹が立った。世の中にはきつい肉体労働しても収入が少ない人がたくさんいるのだ。
    私の両親は「親と同じ仕事はするな。苦労する」と口酸っぱく言っていて、だったら「なぜ苦労しているんだ」とバカにしたこともあった。だが、こういう人々が荷物を運んでくれるからこそ、私たちの生活も成り立つことを、年とともに知るようになった。
     
    今回の参院選で、農家の人がインタビューに「わしらの苦労なんか、今の自民党は分かってくれない」と言っていた。
    既成のシステムから脱却して時代にあった効率的な体制にするには、小泉前首相の言う痛みを伴うし、各分野で改革を実行していくことは大切だろう。安倍首相が多くの法律を改正したのもその熱意の表れかもしれない。ただ、安倍首相の発言は、人々の苦労を分かっているように聞こえなかった。「みなさんの思いを共有できますよ」と思いは伝わってこなかった。私も、インタビューに応えていた農家の人の苦労を十分に共有できるわけではないが、自民党が大敗したのは、安倍首相が人の気持ちを分かってくれなかったのが理由だと推測している。
     
    July 31

    充電開始

    元村です。
     
    きのう、国立科学博物館で「サイエンスコミュニケーター養成講座」の1コマ、講義をしてきた。
    参加者の動機付けが高いこともあり、質問や意見も活発でおもしろかった。
    こうした外部の仕事は、これで一段落である。
     
    8月以降は、心を鬼にして断り、スケジュール帳を真っ白にしてある。
    地震や原発などの有事であり、フリーハンドにしておきたいこともあるが、実際、発信するばかりでちょっと息切れ気味なのだ。
    頼まれるテーマも聴衆も違うから、そのたびに勉強をして準備をする。
    それに取られる時間は、余暇や睡眠時間を削って補う。
    すると、本を読んだり考え事をする時間がなくなってしまう。
    ものごとを深く考えられなくなると、だんだん自転車操業になる。
    私が生煮えの話をするより、ほかに適切な人がいるんじゃないかと思うのだけれど、頼まれると断れない性格である。
    引き受けた以上は喜んでもらいたいと思う「幹事体質」なので、また自分を追い込むという悪循環に巻き込まれそうになっていた。
     
    仕事をバリバリやって、外国出張もバリバリやって、その合間に本も書いて、講演もして、という人が、私の周りにはゴロゴロいる。
    尊敬してしまう。
    1日は誰にも等しく24時間なのに、こういう人は時間の配分が上手なのだろう。それとも気持ちの切り替えが上手なのか?いや、優秀なアシスタントがいるのか?
    私はどれにもあてはまらない。
    これが私の限界なのだなあ。
    July 28

    サイエンスカフェ@三省堂

    元村です。
     
    東京では隅田川花火大会。街には浴衣の男女がたくさん。浴衣だと、少し歩くのがゆっくりになる。
    そういえば先週、日本科学未来館で未来学会が開いたシンポジウムにパネリストとして参加したが、同じくパネリストの瀬名秀明さんが、なんと浴衣!だった。
    「最近初めて浴衣を買ったので、講演で着てみたら好評で」と瀬名さん。確かに似合っていた。
     
    ところでクイズ。
    「大人になるほど、1年が短く感じるのはなぜか?」
     
    今日の午後、三省堂(神保町)でのサイエンスカフェは、このなぞなぞから始まった。
    私はコーディネーター。ゲストは分子生物学者で青山学院大教授の福岡伸一さんである。
    事前の打ち合わせで福岡さんは「パワーポイントは使いません」とおっしゃった。こう言える科学者はあまり多くない。私も「ではそうしましょう」と応じた。
    なので、きょうのカフェはトークのみ。
    冒頭、福岡さんが出したなぞなぞがこれだった。
     
    私の答えは「子どもは経験の大半が未経験。大人は大半が経験済み。大人になるほど印象的な場面が減ってくる。印象的な場面をつなぎ合わせた物理的な時間が短くなるから、短く感じる」というもの。つまり「気のせい」説である。
    福岡さんの仮説は、子どもの体が持つ時間軸と、大人の体が持つ時間軸とを比べると、子どもは新陳代謝が活発で、体内時間が速い。大人はその逆だ。だから、大人の体が1時間と感じている時間が、物理的には3時間だったりする。それに気づいた時に「おや!8時間と思ったらもう1日経っていたのか!」という驚きにつながる、というものだった。
     
    まあこれはスターターみたいなもので、福岡さんは、生物が持っている時間軸やバランス、生態系が持っている均衡を人為的に壊すことの危うさを語った。
    例えば臓器移植は、自分の体の文脈に関係なく、他人の臓器をパーツとして植える行為。
    BSEは、草食動物の赤ちゃんに(病気の動物の)肉骨粉入りのミルクを飲ませたことによって、種の壁を超えて広がった。
    そういう話題を織り込みながらのトークは、部分を語りながら全体が見え、福岡さんの世界観もうかがえる、なんともおもしろいものになった。
     
    長い研究生活を、たかだか90分で語りつくせるものでもない。
    サイエンスカフェは、参加者の好奇心を、その世界の入り口に案内するのが精一杯だし、それもできず、空回りしたまま敗退することもたびたびだ。
    きょうは、帰りに福岡さんの本を買って帰る人が多かったから、及第点をもらえるかな。
    近著「生物と無生物のあいだ」(講談社新書)は、5月に出版されて15万部のベストセラーだそうだ。すごい。
     
    会社によってちょっと仕事をして帰宅。なにせ今週は一度も電車で帰れなかった。
    夕飯はそうめんチャンプルにしようと思ってニラを買った。
    今年初めての桃も買う。3時間ぐらい冷やすとおいしいのだ。
    桃は赤ちゃんの肌みたいだ。そっと扱うので、自然と優しい気持ちになる。浴衣を着たときの歩幅にも似ている。
    July 27

    気になるニュース

    元村です。きょうも暑い。東京の予想最高気温は33度。うへ。
     
    NASAの宇宙飛行士が「飲酒宇宙飛行」していたそうだ。これは違反切符は切られないだろうが、危ないよねえ。
    狭いシャトルの空間で、良好な人間関係を保ちつつ、分刻みでトレーニングと仕事ばかりやっているわけで、お酒でも飲んで気晴らししたくなる気持ちも分からなくはない。
    だけど船外活動でトラブルを起こしたら、ISSやシャトルそのもの、あるいは他のクルーに迷惑をかけることになる。
     
    スケートの織田信成選手が酒気帯び運転で検挙された。
    彼ってもう成人なんだ。それにちょっと驚いた。
    記事には「(検挙されて)しょんぼりしていたという」とある。しょんぼりというより反省してほしいのだけど。
     
    京都議定書の目標達成困難強まる。政府が追加対策の中間素案を発表。
    90年比で6%の温室効果ガスを削減しなければならないのに、国内の排出量は05年度が90年比7.8%増。このままでは達成が困難視されているそうだ。
    以前、カナダが「目標達成は無理」と公表して話題になった。批判もあったが、率直に認めること自体は悪いことではない。
    日本は京都議定書ができたおひざ元でもあるし、「無理だからやーめた」とならないように、実効性のある追加対策をきちんと実行することが必要だろう。
    原発もこんな風だし、節電節電。
    でも昨夜はさすがに暑くて、クーラーをかけて寝てしまった。
    July 25

    柏崎市

    ヤスです。
     
    地震のあった柏崎市に入って1週間を迎える。取材班が詰める前線基地ではトイレが使えない。現地入りした直後はお店も閉まっているので、ミネラルウオーターで水を沸かして、カップラーメンを食べた。緑のたぬきは相変わらず、おいしかった。取材現場への移動はレンタカーを使っている。でこぼこで速度が出せない。あちこちで行われている工事のために渋滞に巻き込まれ、会見時間に遅れることも多い。LANも最近まで前線で使えず。電話回線を使った。いま、ネットで素早く情報探しができるのがとてもうれしい。日ごろの便利な生活を実感し、感謝する。
     
    それにしても地震で倒壊した住宅を見ると、その威力に圧倒される。力なく後かたづけをしている人の姿を見て、本当に悲しくつらくなった。
     
    さて、原発。確かに原子炉建屋は、周りの土地が地盤沈下しているにもかかわらず、頑強そうに建っていた。電力側に言わせれば「あの地震でも大丈夫」と受け止めるだろう。が、私はすごく不安に思った。安全性が確認されるまでには膨大な時間、労力、カネがかかるのは間違いない。だが、早急に徹底検証して、他の原発が大丈夫なのか早く答えを出してほしい。
    日本は資源が乏しい。温暖化防止も急がれている。原発の重要性は高まっているが、原発なしでもやっていける、エネルギー消費の少ない国づくりをまじめに考えたほうがいいように思う。この自然のパワーに、いくら人類の先端の英知を集めて原発に改良を加えても、耐えられない事態がいつかやってくるような気がする。
     
    それと、東京電力の対応が好きになれない。いま、現地では毎日午後4時からブリーフィングをしている。つい先日、ブリーフィングが終わったとき、各記者が会場を離れてから、数十分もしないうちに、地震のために使用済み燃料プールから水があふれる映像を公開しますと連絡がくる。何もかもとは言わないが、小出しなのだ。
    今日の朝刊で報道された原子炉建屋の天井クレーン破損は、いろいろと説明を続け、最後になって、クレーン損傷が出てきた。重要なことは後回しにして、我々が細かく聞く時間を奪っていく。
     
    そして、東京などの大都市で同規模の地震が起きたらどうなることか。人が集中しないことが被害の軽減につながるというのが、私がアラスカで学んだ教訓である。アラスカは、規模の大きな地震が上位を占める地域だが、人口密度が低い。以前、このブログで書いた。安倍首相には、均衡の取れた国土計画を進めていくことを改めて求めたい。
     
     

    原発震災

    元村です。少しご無沙汰でした。
     
    16日の新潟中越沖地震から明日で10日だ。やっときょう、停電が全面復旧したという。
    地震の傷跡は深い。
    けさのニュースで、避難所の様子がテレビに映っていた。歯磨きをしている人がいる。
    普段は他人に見せないこうした行為が、衆人環視になっているということだ。プライバシーが保てないのは辛いだろうと思う。
    キャンセルで空いている旅館を、こうした避難住民に提供する手当を用意しているというが、その利用者が40人あまりしかいない、ということもニュースは伝えている。「周知不徹底」だったからだそうだ。
    救援物資、ボランティアの受け入れも、「さばけるだけの人的余裕がない」と、一時的にストップしている。
    行政業務を手伝う(代行する)ボランティアを、全国の自治体で融通するってことはできないのだろうか。
     
    今朝は文部科学省で、若手職員向けの研修に呼ばれて話をしてきた。
    質疑でこんな質問が出た。
    「地震は犠牲者もいるし、避難住民の生活の大変さも伝えるべきだと思うが、新聞の一面は原発の話ばかりだ。環境への影響がないにもかかわらず、危ない危ないと騒ぐ報道姿勢はどうだろうか」
     
    確かにそうですね。
    ただ、環境への影響はなかったのは事実だけれど、それをもって「原発は安全」と思っている人は少ないのではないか。
    もちろん、「安全」あるいは「危険」のレベルをどこに置くかによって、評価は変わってくる。
    放射能もれ=危険、と考えれば「封じ込め成功、よくやった」ということだし、
    地震で壊れる=危険、と考えれば「もっと強い地震があったら原子炉も心配!」となる。
     
    伝える側としては、「放射能を帯びた水が漏れた」「でもごく微量で環境に影響はない」ことは記事で明確に伝えている。
    「危ない」と言っているのは、未知の断層活動によって、想定以上(あるいは想定外)の地震に襲われた時の備えが十分か、という点である。
    でも、受け取る側がそう受け取ってくれていないなら、工夫が必要ということか。
     
    原発を甘受して、一方で安全に最大限の努力を払う。そのバランスについて、電力、行政、国民(マスコミ含む)のコンセンサスが得られるのが理想だけれど、「安全」観に温度差があるから難しい。
    客観的な情報を蓄積して、根気強くコミュニケーションするしかないのだろう。
     
    研修の席でも「今朝、新聞を読んできた人?」と尋ねてみた。
    結果については申し上げないことにいたします(安倍首相風)。
    July 22

    京都そして福井

    元村です。
     
    今週末は京都から福井へ。
    帰ってきて洗濯中。きょうやっとかないと、明日から着るものがなくなってしまう。
    今週もたまった仕事は手付かず。しかし実り多い週末だった。
     
    実は、福井を訪ねたのは41年の人生で初めてであった。
    我ながらびっくり。
    (日本列島では、あと青森と山形が未経験)
    福井はかつて越前と若狭に分かれていた。県民性も二つあるという(聞きかじり)。
    今日は、若狭の小浜市が開いている市民向け科学講座の1回目に招かれたのだ。
    一度目の依頼は、他の予定と重なっていたためお断りした。
    二度めの依頼は断れなかった。引き受けてから交通手段を調べて呆然とした。
     
    13時に現地にいるためには、家を6時に出ないと間に合わないのである。
    2時間講演して5時間かけて帰る。つまり移動に12時間。
    無理!
    なんでこうなるかというと、敦賀から小浜までの足(公共交通機関)が不便なためだ。
    飛行機も考えたが、最寄空港が小松(石川県)か但馬(兵庫県)ということで、あまり変わらない。
    で、元村は土曜日、京都で取材を入れ、泊りがけにした。
     
    京都の取材は、とても中身の濃いものだった。
    ある本を読んで感激し、その著者に会いに行ったのである。
    一言一言が今でも浮かんでくるような、濃密な時間だった。
    報告はいつか記事で。
    夕食は、地元在住のHさんらと3人、先斗町でおいしい魚を食べる。安くてびっくりする。
    そのあと、木屋町筋の、まるでゴールデン街みたいな酒場に連れていってもらった。
    さらに祇園の伝説のバー「S」で仕上げ。
    京都は奥が深い。
     
    小浜では、原発という技術をどう考えるか、今度の地震に事寄せて話した。
    福井県には4つも原発がある。参加者の人も真剣である。
    「断層の長さや位置や危険性について、電力会社と地震学者の主張が違うのはなぜですか?」
    という質問も出た。
    彼らにとっては、ひとごとではないのである。
    July 20

    気になるニュース

    元村です。東京は夏が戻った。
     
    新潟県中越沖地震からまる4日。毎日新聞では緊急連載「原発震災・中越沖地震の衝撃」が始まった。科学環境部が指揮を取ってやっているものだ。
    読売新聞も一面できょうから連載「原発直下型地震」が始まっている。
    今回、地震そのものが人々の生活をめちゃくちゃにした側面に加えて、稼動中の原発で火災が起きたことと、その後分かってきた被害が予想外に多かったことが、国民にとっては新たな不安の種になっている。
     
    炉心へのダメージはなかった、ということで「耐震構造は堅牢だった」と解釈する人もいるだろう。
    ただ、複雑なシステムのどこに、この地震でひび割れや歪みが生じているかは今のところ分からない。それは先々まで続く不安として残る。
     
    さて、心理学者の河合隼雄さんが昨日、亡くなった。
    何を隠そう(隠さない)、私は大学時代、カウンセラーになろうと思っていた。
    高校で理系から文系に転向したのも、河合さんの影響が大きい。
    高校3年の夏、自習に出かけた図書館で、息抜きに手に取ったのが、河合さんの「カウンセリングの実際問題」という本だった。
    引き込まれて、一気に読んだ。
    河合さんの、人間観、家族観、心を病んだ人への眼差しが、自分の中にストンと落ちて、どきどきした。
    私がやりたい仕事は、医者ではなくて、こういう病を治すことなのだと、高3の私は心の底から納得してしまったのだ。
    その後の半年は、理系の勉強をこなしつつ、理系コースとして模試も受けつつ(でも志望校は、理系と文系を併記していた)、心の中で心理学への関心を深めていった。
    念願かなって、大学では臨床心理学を勉強できたし、河合先生の集中講義も受けた。でも結局、新聞記者になった。それは当時、カウンセラーという職業がきちんと認知されていなかったからだ。
    河合さんは後にその地歩を固めた人だ。「臨床心理士」という職業を希望する学生が、心理学科を目指すようになったのは、河合さんの功績といっていいと思う。
     
    記者になって、一度取材してお礼を言いたいと思っていたときに、病に倒れられた。取材は実現しないままになってしまった。
    私が記者としてインタビューしたかった男性は植村直己さん、池波正太郎さん、そしてきょう、河合さんが加わった。
    合掌。
     
    その他のニュースで気になったのは、赤城農相の絆創膏の理由が分かったことか。
    吹き出物だったそうだ。
    火曜日の閣議後会見であんなにムキになって「たいしたことありません!」と、ほとんど涙目で反論するような話じゃなかったってわけだ。
    今度は麻生外相の「アルツハイマーでも・・・」発言が話題になっている。
    閣僚の危機管理って、政権運営の基本だと思うのだけど。
    July 19

    最近読んだ/これから読む本

    元村です。
     
    参院選の真っ只中だが、例年とは様相が違う。地震があったことが大きいだろう。新聞も紙面の多くを地震に割いている。
    当然だけれど、地震によって選挙の争点がボケてしまうのでは本末転倒である。
    地震を通して、暮らしと政治の関係を考えてみるのもいいと思う。
     
    えっと、しばらく紹介してなかった、いただいた本。読んだものもあれば、これから読むものもある。簡単な紹介で恐縮。
     
    ★教養とはなにか(松信八十男、新風舎、1300円+税)
     私のところには、時々、まったく知らない方から著書が届く。あちらはご存知なのだろう、あるいは出版社の編集者氏が「こういう類の本はこういう記者に」という知恵を働かせてくれているのだろう。この本の内容は、新制大学になって絶滅した「教養教育」に関するエッセイ集。昔の人はすごかったと素直に思う。
     
    ★男からのラブレター(菅野典雄、キング印刷、1905円+税)
     これも、見ず知らずの方が贈ってくださった。見ず知らずといってもこの著者は、福島県飯舘村の村長さんである。小さいけれど、そのスケールを生かして、人の心の通った政治をしている。「までいライフ」ってご存知?興味があったら飯舘村をチェックすべし!
     
    ★東大教養囲碁講座(石倉昇ほか、光文社新書、850円+税)
     4000年の歴史を持つ「脳トレ」、それが囲碁だという。私はやったことがない(恥)。東大では05年から、囲碁を通して思考力を鍛える人気講座があり、その講師陣が共著で書いた囲碁の入門書である。
     
    ★時そばの客は理系だった(柳谷晃、幻冬舎新書、740円+税)
     「落語で学ぶ数学」とサブタイトルにある。著者は、落語好きな人であり、数学に関する柔らかめの著書が多くある。タイトルにある「時そば」は、そばをすするシーンが出てきて、私も好きな一席。「いま何時だい?」は、小銭が飛び交う宴会の会費集めでやると、みんなから叱られる。
     
    ★麹(一島英治、法政大学出版局、2500円+税)
     みなさんは麹菌が「国菌」だって知っていますか?私は知らなかった。へえと思って、その提唱者を取材して「発信箱」で紹介した。一島さんは東北大名誉教授。提唱者その人である。麹菌の研究者であるが、麹菌の由来や歴史から食文化まで、幅広く研究しておられる。その集大成。
     
    ★リスク学入門1(橘木俊詔ほか、岩波書店、2800円+税)
     「1」とあるから、シリーズで増えていくのだろう。サブタイトルは「リスク学とは何か」。まず基本編ですな。リスクが重要な昨今、タイムリーな出版ではあるが、横書きでちょっと教科書向き。夏休みにきっちり読んでお勉強する人にはいいと思う。
     
    ★人はなぜ立ったのか?(島泰三、学研、1200円+税)
     あーいあい!あーいあい!おさーるさんだよ~のアイアイを研究してきた「ドクトルアイアイ」こと島泰三さんが、子ども向けにかいたアイアイのなぞめいた生態ルポ。大人にももちろんおもしろい。で、なんで二足歩行の話になるかは・・・読んでのお楽しみ。
     
    ★世界の黄砂・風成塵(成瀬敏郎、築地書館、2000円+税)
     中国大陸から運ばれて列島を悩ませている黄砂。大きくは風で運ばれる土「風成塵」というそうだ。気候変動や民俗まで含めた黄砂の全容を、実証的に書いた力作である。兵庫教育大大学院教授。
     
    ★アカデミック・ハザード(トーマス神村、海鳴社、1000円+税)
     なぞめいている。著者略歴がない。もちろんペンネームだろう。アカデミア内部の人だろうか?サブタイトルは「象牙の塔殺人事件」。アメリカ帰りのナノテク研究者が、日本の大学に就職して、権謀術数の策略に巻き込まれ・・・というあらすじ。どこか真実味もあって興味深い。
     
    ★ケンブリッジの卵(下村裕、慶應義塾大学出版会、2000円+税)
     ゆで卵やラグビーボールなど、中が個体のだ円球を勢い良く回すと、それはやがて立ち上がる。その秘密に迫った物理学者が、慶應大で教養教育としての物理を教えている下村裕教授である。私もおもしろいなあと思って、論文をニュースや「発信箱」で紹介させてもらった。本はこの研究を始めるきっかけになったイギリス留学の思い出も含めた書き下ろし。物理のおもしろさも感じられる一冊だ。
     
    ★ロボット・イノベーション(石原昇ほか、日刊工業新聞社、2200円+税)
     石原さんはテクノロジーアナリストという商売をやっている。ロボットは30年前のコンピューター産業に酷似していると彼はいう。産業用ロボットはメインフレーム、民生用ロボットはマニア向けパソコン、なのだそうだ。ロボット産業で日本が主導権を握るには何をすべきか?について書いている。
    July 18

    続・地震と原発

    元村です。
     
    講演の仕事で福岡にやってきた。福岡は私の生まれ故郷であり、魂の故郷である。
    きのうの地震の状況次第では「無理かな・・・」という思いもよぎったが、結局来ることができた。
    講演のテーマは「お任せ」だったので、地震の話に事寄せて、原発とどう向き合うかという話をさせてもらった。
     
    私たちはよしあしにかかわらず、電力の3割を原発由来でまかなっている。
    「原発由来の電力は要らない」といっても、使い分ける仕組みになっていないから、原発がイヤだと言うなら、総消費量を3分の2にするということになる。
    日本はいわば、ヒビだらけの列島で、原発をどこに建てても「危ない」ようだ。
    さてどうするか。
    原発を受け入れて、二重三重に安全策をとる。
    原発をこれ以上作らないことにして、代替エネルギーの研究に力を入れる。
    原発をゼロにすることを決心して、代替エネルギー開発だけでなく、省電力を国民で許容する。
    いろんな選択肢があるが、おそらくは一番目の「安全策」ということになるだろう。
     
    ところで、今回の地震で、50の「異変」が起きていた、と東京電力が発表した。
    さてどう考えるか。
    50もの異変を、きちんと公表した姿勢を評価するか。
    50もの異変があったことに、単純に驚いて「だから原発はこわい!」と思うか。
    私は両方だと思う。
     
    講演のあと、軽い食事をと、福岡勤務時代によく行った居酒屋に顔を出した。
    「わー元村さんやん!」と、ご主人が覚えてくれていて、とてもうれしかった(なんせ福岡を離れて10年になる)。
    芋焼酎お湯割を一口飲んだところで、団体さんが入ってきた。
    みな毎日OBで、私を採用してくれた人、私を東京へ送り出してくれた人など、お歴々がぞろぞろ。
    「お、なんで元村がこんなところにおるとや」
    「なんで知らせんとか」
    と、非難ごうごう。
    福岡ってやっぱり狭い街かも・・・(笑)
     
    明日は早朝便で帰京。もう寝よう。
    July 17

    地震と原発

    ヤスです。
     
    台風に続いて地震と自然の脅威を感じる。今回の新潟県中越沖地震、能登半島地震(今年3月)、少し前に鳥取県西部地震(2000年10月)と、原子力発電所そばを震源とする直下地震が起きている。偶然かもしれないが、天の警告なのだろうか。地震はこれからもあり、原発も存在する。今後大きな悲劇を招かなければいいが。
    July 16

    台風のお土産

    元村です。
     
    3連休3日目、モトムラはやはり仕事である。
    毎週月曜日は「発信箱」の締め切りなのである。
    これまた具合悪いことに(!)、私の発信箱の組み込み日(火曜)は、休日とか祝日とか休刊日に当たることがないので、休載がない。
    だから、始めた日(2004年11月)から皆勤賞。
    根気のない私が、よく続いていると我ながら感心する。
    (出来不出来とは別の評価軸ね)
    まあこのブログも3年になるし、理系白書も6年目に入ったし、私は実は粘り強い性格かもしれない。
    (いや、執念深いという方がふさわしい)
     
    ところで、台風のお土産と行ってもいい写真が京都のMさんから届いた。
    Fairy ring と呼ぶそうだ。日本語では「菌輪」。
    雨の後など、芝生の上に、キノコが輪を描くように生えることがある。
    イギリスでは、妖精が踊った跡といわれていて、この輪の中の芝についた朝露を顔につけると美人になるなんていう言い伝えがあるんだって!
     
    でも、検索してみたら、別のサイトでは「芝生を枯らす悪い病気!すぐに退治を」なんて書いてあった。
     
    見つけたMさんによると、翌日はもうしなびていたそうです。
    ちょっと幸せな気分になったので、お借りして掲載します。
    July 15

    台風と長靴

    元村です。3連休、いかがおすごしですか。
     
    台風4号、鹿児島に大きな被害を及ぼしていまだ北上中。
    ニュースによれば、3人の方が亡くなった。なお2人が行方不明だそうだ。ご冥福をお祈りします。
    九州出身者にとっては、台風は一種の「非常事態」である。台風そのものだけでなく、増水や土砂崩れ、鉄砲水といった災害が起きるからだ。
    なにしろ勢力を保ったまま九州を直撃してくるので、気が抜けない。
    それに比べると、関東の人たちは台風への心構えが、九州の人たちとは違うように感じる。
     
    私も関東に暮らし始めて10年。だんだんこちらのセンスに染まってきているようで、しのつく雨の中、外出した。
    この週末もたくさんの締め切りを抱えており、気合を入れて執筆しなければならない。
    だから最近は、ほぼ毎週のように、有料自習室に通っている。
    今も自習室で作業中なのだ。
     
    自宅でもできないことはないのだが、つい気が散って、テレビをつけて台風情報をじーっと見たりしてしまう。
    一段落して寝転んで、そのまま惰眠をむさぼってしまったりする。
    自習室はその点、囲われた静かな環境で、集中して仕事ができる。
     
    ともあれ、資料とパソコンをかかえて玄関を出たあと、あっと思って部屋に戻った。
    クロゼットからゴム長を取り出してきて履いた。
    やっぱ、台風はゴム長でしょう。
    (ゴム長といっても、すこしおしゃれな奴ですよ)
    上は花柄のワンピース、下はゴム長というのは若干(かなり)アンバランスだが、台風の日だから許してもらいたい。
    水溜りもじゃぶじゃぶ歩く。いやむしろ、水溜りを選んで歩いたりする。
    じゃぶじゃぶやっていたら、向こう側から親子連れが来た。
    4歳ぐらいの女の子は、黄色いレインコート(フードつき)、黄色い長靴、黄色い傘の完全装備。
    やはり水溜りをじゃぶじゃぶやっている。
    私のやってることは4歳並みかと、ちょっと我に返った。
     
    この台風が過ぎれば梅雨明けだろうか。
     
    (続編)
    8時間、自習室で頑張って外に出たら、雨はすっかりあがっていた。
    ゴム長の出番は、合計20分だった。